6月20日、GEM-CCにツタンカーメン王の天蓋が無事に運び込まれました。GEM-JCプロジェクトでは、全部で72点の遺物を移送し保存修復することになっており、この天蓋が同プロジェクトで移送する最後の遺物となりました。

移送前、まず日本とエジプトの専門家が天蓋の状態を確認。次に3Dスキャンをして3Dモデルを製作しました。その後、X線撮影で脆弱な箇所を特定しました。こうすることで移送時に脆弱部分を保護することが出来るのです。

専門家たちは日本の和紙を使い、脆弱な部分やパーツの接合部に応急処置をほどこし適切に梱包しました。移送前のこれらの作業は、GEM-CCに遺物を安全に輸送するための重要な工程です。現在、移送された天蓋にX線撮影等の非破壊的測定方法による様々な調査が行われており、今後、修復作業が本格的に始まる予定です。