10月18日から27日(金土除く)GEM-CCで木材研修が開かれます。

第一回木材研修(2014年2月本邦研修)では、木材保存修復者(岡田)と木材保存科学者(栗本・大山)との共同体制のもと、樹種同定の意義と技術移転とともに、木材遺物の保存修復に関する基本理念の理解と木材遺物の保存修復実践に不可欠となる木材の組織や特性に関する自然科学的理解を目的とした研修を行いました。第二回木材研修(2014年9月現地研修)では、第一回研修での木材の科学的理解をさらに深めるとともに、GEM-CC木材ラボ内で現在収蔵中の実物の木製遺物を対象としたドキュメンテーション作成やGEM-CCの既存設備であるFT-IRやXRDを用いた木材劣化診断を行うことで、研修で教示してきた木材の細胞学的理解や科学的特性の知識が実物の保存修復措置の際に如何に有益であるかの理解を促してきました。そして、第三回目木材研修では、第二回研修までに教示した木材科学の基礎知識と保存修復の基礎理念を基盤とし、GEM-CCに昨年末に新設された木材利活用データバンクに資するための樹種標本の標準プレパラート作成に関する技術移転を行うとともに、木材に生じる主要な損傷の一つである虫損に対する科学的診断および保存修復の実践に関する理念および材料や方法の選択に関する教授を目的に研修を行うことで、保存修復者と科学者の連携による保存修復実践の重要性の理解に努めてきました。フェーズ2における最終研修となる今回の第四回木材研修では、樹種同定の技術移転と木材の保存修復の発展的な研修を実践するとともに、四回にわたって行ってきた木材の保存修復に関する研修を集約し、本プロジェクトにおける木材研修を締めくくる予定です。

第四回木材研修の内容としては、前回同様に、樹種同定に関する技術移転と木材の保存修復研修の二本立てで研修を構成することとしました。

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