9月2日から9日まで日本から3名の講師を招聘し、大エジプト博物館保存修復センターにて無機物研修Ⅲ-金属資料の保存修復研修を行いました。

講師

藤澤 明: 帝京大学 文化財研究所 講師

及川 崇: 保存修復専門家

邊牟木 尚美:金属保存修復専門家

保存修復センターの各ラボから10名の研修員と5名のオブザーバーが参加しました。

本研修では、先に行われた無機物研修Ⅰ-金属資料の状態調査の内容を下地とし、金属資料の保存修復をテーマとしました。文化財に使用されている金属には様々な種類がありますが、本研修では主に青銅資料を対象とし、保存修復倫理に基づいた保存修復計画立案が行えることを目的としました。

本研修では溶剤で溶解しにくい樹脂など、通常業務において研修生たちが使用していない材料や方法も含めて、講義と実習を行いました。クリーニングについては限定的な場面において化学的手法を使用することもあることを強調し講義・実習を行いました。接合については可逆性がないとして使用を避けられてきたエポキシ樹脂は、遺物の状態や使用法によっては取り外しできるという再処理性について理解を得ることができました。最終的な保存修復計画立案実習では、講師側からの質問に対して適切に応えることができ、研修生が青銅器の保存修復に関する様々な方法を理解し保存修復理論に基づき最適な保存修復計画立案を行えるようになりました。

実習で充填している研修員
実習で接合をしている研修員
実習でクリーニングをしている研修員
サンドブラスターでのクリーニング方法を学ぶ研修員