プレスリリース 2017年12月20日(水)

「ツタンカーメン王の戦車と染織品の移送について」

 

独立行政法人国際協力機構(JICA)が実施する「大エジプト博物館合同保存修復プロジェクト(The Grand Egyptian Museum Joint Conservation Project, GEM-JC)」では、12月19日(火)にプロジェクト対象遺物の戦車(チャリオット)1点、染織品2点のカイロ・エジプト考古学博物館から大エジプト博物館保存修復センター(Grand Egyptian Museum Conservation Center, GEM-CC)への移送を完了いたしました。

本プロジェクトでは、GEM-CCがエジプトにおける文化財保存修復・研究の中心的機関として遺物の保存修復活動を行い、大エジプト博物館の展示品が適正な状態で保存されることを上位目標として、大エジプト博物館の開館にとって重要かつ技術移転に適した72点の遺物を対象に、日本とエジプトが合同で保存修復をおこなう技術協力を実施しています。

本プロジェクトは2016年11月に開始され、一般財団法人日本国際協力センター(JICE)と東京藝術大学がジョイントベンチャー(共同企業体)を結成し、日本人専門家約40名を派遣して実施しています。

 

今回移送された対象遺物の戦車は、ツタンカーメン王墓から出土した6台の戦車のうちの1台で、大エジプト博物館開館後には、これらの遺物が一同に展示される予定です。染織品の貫頭衣(チュニック)2点もツタンカーメン王墓から出土したもので、非常に脆弱な状態です。そのため、移送時には日本通運株式会社の技術指導により、人と遺物の安全を徹底した梱包作業計画から、遺物への影響が極力少ない移送経路の選定、トラックやフォークリフト等の車両手配まで、詳細かつきめ細やかな梱包・移送計画策定支援を行いました。また、移送時には同社が特許を有する移送用防振パレットを使用し、遺物への振動および影響を把握しながら無事に移送を完了いたしました。

 

今後はGEM-CCにて、診断分析のための科学的調査、修復計画の策定、修復処置を実施してまいります。