今年10月、日本人学校の小学3年生から6年生の児童が校外学習として大エジプト博物館保存修復センター(GEM-CC)を訪れました。今回はラボ見学以外のほか、どのように修復をしているのかを身近に感じていただきたいと考え、破損したレプリカのパピルスを実際の修復で使用する和紙を用いて修復する体験スケジュールを組みました。

当日のツアーでは、西坂総括補佐からパワーポイントでプロジェクトの説明があり、オーガニックラボ→木製品→重量物ラボを見学し、プリパレーションラボにて初の試みである修復体験を実施しました!

ラボ見学後、いよいよ修復体験です。

修復体験に向けて、オーガニックラボのユスリー氏とハスナ氏が、児童のために事前に和紙を細く切るなど、修復体験の準備をしてくれました。当日も、ユスリー氏とハスナ氏が修復の方法を説明し、児童と一緒に修復を行いました。

参加児童は、小学校3年生から6年生までグループに分かれて作業を開始!

レプリカのパピルスとピンセット、修復で使う接着剤の役割となる液体を使用し、最初は慣れない作業で少し緊張している様子でしたが、ユスリー氏とハスナ氏が中に入って教え始めると、集中して作業に取りかかっていました。

今回のラボ見学と修復体験を通して考古学や修復に興味を持ってくれた児童が多く、修復体験後の質疑応答ではたくさんの質問が飛び交いました。児童の質問には修復の専門家である岡田専門家、西坂総括補佐、横山専門家、柴田専門家が丁寧にわかりやすく答えてくれました。

後日、参加してくれた児童の皆さんからお礼の手紙をいただきました。手紙には修復や考古学に興味を持ったという内容が書かれており、この中から将来の修復家や考古学者が生まれるかもしれません。