対象遺物がGEM-CCに到着し開梱が行われると同時に、虫害の痕跡がないか殺虫チームが丹念にチェックし、その後の対応を決定します。もし殺虫処理が必要と判断された時には、すぐに殺虫のプロセスに入らなくてはなりません。

今回のフォロー遺物であるツタンカーメン王の儀礼用ベッドについては、殺虫チームの判断のもと、無酸素燻蒸による殺虫を実施することになりました。日本の専門家も協力して、殺虫ラボ内にエスカルという特別なフィルムで厳重に密閉したテントをつくり、その中に酸素吸収剤(RPシステム)と窒素を入れて酸素を下げる処置が行われました。

殺虫処理は、殺虫チームリーダーのマンナール氏のモニタリングのもと、2週間続く予定です。その他の染織品の対象遺物は、エスカルフィルムと酸素吸収剤(RPシステム)のみを使用して処置を行うことになります。