日本とエジプト両専門家の協力により、細かい保存修復作業を要するリード対象遺物の保存修復が無事完了しました。保存修復が終わった対象遺物は順次、高精細撮影によるドキュメンテーションが実施されました。

撮影した画像は、修復前と修復後の状態を確認する際にも使用するため、微細な部分まではっきりと捉える高精細な撮影機材を採用しています。撮影は、日本のプロカメラマンが現地を訪れ、修復前後の状態を比較しやすいよう修復前の画像と同じ構図で撮影を実施しました。また日本の専門家は、エジプトの専門家が残りのフォロー対象遺物も自分たちで撮影できるように技術移転に努めました。

専門家たちは約1か月に渡り写真撮影を実施し、無事ドキュメンテーションの作業は完了し、木材、染織、壁画のリード対象遺物の修復プロセスを終えることができました。今後もフォロー対象遺物のドキュメンテーションはエジプトの専門家が継続して行っていく予定です。撮影された写真は、考古学的記録として保管され、長年に渡りその役割を果たすと同時に、今後の研究資料としても活用されることが期待されています。