2017年9月3~9日の日程で開催されたICOM-CCコペンハーゲン大会に、GEM-CCの保存修復家による発表5本が採択されました。このうち、フセイン・カマル博士、ヌール・バドル氏、サイード・マンスール氏の3名は、東京藝術大学国際文化財修復プロジェクト室の支援で、そしてメドハット・アブダッラー博士とアハマド・アブドラボ氏の2名は、ゲッティ財団国際プログラムのICOMーCC参加補助金を獲得して大会に参加しました。

その他の個人研究の発表等も含めて、5名の日本人専門家も、コペンハーゲン大会に参加し、以下の発表が行われました。

◆ポスター発表

・アハマド・アブデル=ラボ氏:Rotated axial stage tool for documentation of the pharaoh Tutankhamun ´s decorated sticks”

・ヌール・バドル: An Interpretation of the Fourth (Innermost) Shrine of King Tutankhamen Using Digital X- Radiography

・フセイン・カマル氏: Impact of Previous Chemical Treatments and Environmental Conditions in Storage on Miniature Hoes Discovered from Tutankhamen’s Tomb by Interpretation of Analytical Results.

・サイード・マンスール: Evaluation of Synthesized Poly (EMA/MA) /ZnO Nanocomposites Used for Protecting of Calcareous Stone Monuments of Ancient Egypt

・メドハット・アブダラー氏:The applications of Multi Spectral Imaging and Reflectance Transformation Imaging for an ancient Egyptian polychrome wooden stele

・岡田靖専門家:Wood conservation training course at the Grand Egyptian Museum Conservation Center by the Japan International Cooperation Agency (2011-2016)

 

◆口頭発表

・石井美恵専門家: Developing fabrics for textile conservation made with traditional techniques within the cultural property preservation policy in Japan.

・松田泰典専門家: Development of multi-spectral RTI system aimed at evaluation of process of varnish cleaning.

3年に1度開催されるこのICOM-CC大会で発表が採択されるには、厳しい審査があり、年々狭き門となってきています。そういう意味でGEM-CCから多くの発表が採択されたのは非常に光栄なことです。

GEM-CCが文化財保存修復・研究の中心的機関となり、今後GEM-CCの専門家が国際的な権威ある学会でさらに発表数を増やしていくことが期待されます。

最後に、大会参加に際してご支援くださった東京藝術大学国際文化財修復プロジェクト室およびゲッティ財団国際プログラムに深く感謝いたします。

アブストラクトはICOM-CCのHPに公開されており、 こちらから閲覧いただけます。