2018年4月10日、GEM-JC プロジェクトチームはツタンカーメン王の4台目の二輪馬車を大エジプト博物館に移送しました。二輪馬車はこれまでルクソール博物館に展示されていたため、移送チームはエジプトの春に起きやすい急な天候の変化に気を揉んでいましたが、遺物の梱包と安全な輸送に向けた綿密な計画を立てていたため、大エジプト博物館(GEM)まで安全に移送することができました。

春の休暇が終わり次第、大エジプト博物館保存修復センター(GEM-CC)では二輪馬車の開梱が行われ、保存修復前の診断分析が進められる予定です。

GEM-JCプロジェクトはGEM、考古省、国際協力機構(JICA)による共同プロジェクトです。GEMに移送し展示予定の72点の遺物を対象に、エジプトと日本の専門家が合同で保存修復を行う技術協力を実施しています。対象遺物はGEMの開館にとって重要かつ技術移転に適したものを選別しました。プロジェクトの上位目標は、GEM-CCが将来GEMで展予定の遺物の適切な保存修復と、エジプトにおける文化遺産保存修復を行う中心的な機関として保存修復や研究活動を担っていくことです。

同プロジェクトは2016年11月に開始され、一般財団法人 日本国際協力センター(JICE)と東京藝術大学(TUA)がジョイントベンチャー(共同企業体)を結成し、日本の専門家約40名を派遣して実施しています。