今回は可搬型の蛍光X線分析(XRF)装置を用いて、壁画表面の成分元素を同定する診断分析を行いました。マルチスペクトル画像分析から得られた情報をもとに、異なる色彩部分に非破壊式の蛍光X線を当て、壁画表面の顔料を調査しました。

この分析結果は壁画の下塗り層に関する有意義な情報をもたらしてくれました。遺物の保存状態を理解するだけでなく、さらなる考古学的知識を得るための研究にも大いに役立ちます。